Kanon 俺の夏物語
           その二

俺は今商店街に来ている。それはなぜかと言うと・・・・・。
「祐一く〜〜ん」
・・こいつに会うためだ。
ズデッ!
「あう〜」
「おまえは登場早々いきなり何やってんだ」
「うぐぅ」
「おまけにどこぞのメイドロボみたいな声だしやがって」
「うぐぅ?」
「ん、ああまあその辺は某恋愛ゲ―ムを参考にしてくれ」
「うぐぅ♪」
「“うぐぅ”だけで会話するな!」
「あはは、冗談だよ」
「まったくこの“たいやき泥棒殺人下着ドロハイジャック娘”は」
ため息交じりにそんな事を言う俺
「僕そこまで悪い事してないよ!」
「それはそうとあゆ、ミッキ―に会いたくないか?」
先日の北川の口調をマネながらあゆに尋ねてみる
「?」
本人には通じてないらしい・・・・。
「要するにディズニ―ランドに行きたくないか?ってことさ」
「ええ!?行けるの!」
「ああ、そりゃもう毛利衛のようにいけるぞ!」
「?」
また通じなかったらしい・・・・ぐすん、いや今のは自分でも分けわからなかったけど・・・。
「ま、とにかく行くか!行かないか!」
「行く行く!僕行くよ!」
ピョンピョンと跳ねながら頷くあゆ
「うぐ!」
突然あゆが“うぐぅ”な悲鳴を上げる
「ど、どうした?」
「舌かんだ」
「じゃあ、待ち合わせ場所は明後日の朝十時に駅前だから、んじゃな」
俺は手を振りあゆと別れ・・・・
「素で通さないでよ!」
「いや、おまえが余りにもアホだったもんで」
「うぐぅ・・・もういいよ」
「ごめんごめん、じゃあ時間と場所は分かったよな?」
「うん、明後日の朝十時に駅前だね」
「おう!あってるぞ」
「うん、僕楽しみだよ、バイバイ祐一君!」
「ああ、じゃあな」
今度こそ俺は手を振りあゆと別れた。
「ふう、後は佐祐理さんと舞か・・・・」
う〜〜む、どうしたものか、二人の連絡先知らないし・・・。
家も知らないし・・・。
ま、時間もある事だし、あの二人がいそうな所でもあたってみるか。
とは言っても何処にいけばいいやら。
あ、牛丼・・・。
俺は近くの牛丼屋へと駆け込んだ。
のれんを潜ると店のオヤジの威勢のいい声が響く。
「何にしやす?」
「あ、ええと天丼・・・」
俺はとりあえず奥のカウンタ―に腰を落ち着かせた
「はい!天丼ですね!」
この店は一応他の丼ものもやってたりする、
でも牛丼が一番だ
むう、とっさに天丼を注文してしまった。
おっと、それより舞と佐祐理さんはっと・・・・。
やっぱり居ないか・・・ま、早々会えるもんでもないしな。
今日は天丼食って帰るか。
「へい、らっしゃい」
お、また客かこの店も繁盛してるよな・・・
ってあれは!
「へい!おまち!」
バカ!オヤジ!見えんだろが!
オヤジが去ったあと素早く入り口に目を向ける・・・・。
あれ?見間違いか・・・?
「祐一さん!」
途端、後ろから肩をたたかれる
「佐祐理さん!」
「お隣よろしいですか?」
「ああ、どうぞ、って舞は?一緒じゃないの?」
「舞なら祐一さんの隣に居るじゃないですか」
「へ?・・・うおおお!?」
見ると舞がいつの間にか隣にチョコンと座っていた
「祐一うるさい」
「おまえはネコか!」
「ネコさん?」
「いや、なんでもない」
舞に動物の話題を振った俺がバカだった。
「へい!なんにします!」
「牛丼・・・」
舞が無愛想に注文する
「へい!牛丼一丁!」
店のオヤジが厨房へとさがって行く。
「あれ?佐祐理さんは食わないの?」
「佐祐理はお腹減ってませんから〜」
「じゃあなんでここに?」
「舞がどうしても牛丼が食べたいって言うから」
ペシッ!途端に舞のツッコミがはいる。
「照れんな照れんな、ほれ牛丼きたぞ」
「いただきます」
「祐一さんも食べないと冷めちゃいますよ」
「おっと、そうだったな」
パチンと箸を割り天丼に食らいつく。
うむ、なかなかの味だ。
・・・・・・・・・・・。
「ふう、食った食った」
「ごちそうさま」
その後会計を済ませた俺たちは“じゃあ”
“それでは〜”“・・・・”
と言って別れた。
「って別れちゃだめじゃん!」
まだ後ろ姿が見える!間に合う!
「お――い!佐祐理さ〜ん!ま〜い!待ってくれ〜〜!」
「?」
スタスタ・・・。
「こらこら!一人無言で去って行くな!」
「どうしたんですか?祐一さん」
「いや、一番大事な話をするのを忘れていた」
ハア、ハアと息をしながら言う俺
「あ、あのさ、ディズニ―ランド行かない?」
「ええ!行けるんですか?」
「ああ」
「もちろん行きますよ〜」
「そうか、舞はどうする?」
「佐祐理が行くなら行く」
よしよし、これでメンバ―は全員そろったな。
その後俺は佐祐理さん達に場所と時間を教え別れた。
まあ、なんだかんだ言って舞の奴も嬉しそうだったし。
よし!帰るかな。
「ただいま―」
と、ちょうどそこへ階段から真琴が降りてきた。
「おい、真琴」
「何?」
少し警戒しながら返答してくる真琴。
「何もしねえって」
「ん〜どうも信用仕切れないのよねぇ」
「俺はおまえの方が信用できないぞ」
「うっさいわねぇ!」
とそこで真琴がふと思いついた様な顔をする。
「どうした?」
「祐一あのさ・・」
「ん?」
「ディズニ―ってさ、いろんな乗り物があるよね?」
俺は思わず“はあ?”という顔をしてしまう。
「そりゃおまえ乗り物が一個や二個だったら客こねえだろ」
「そんなの分かってるわよ!」
「じゃなんなんだよ・・・」
「祐一高所恐怖症だよね」
「・・・・・」
その場を沈黙が支配する。
「あらあら二人共そんな所で何やってるの?
夕飯できたわよ」
「わあい♪」
俺にはなぜだか真琴と秋子さんの声が遠くに聞こえた・・・。
・・・・どうしよう。
そんなこんなで水瀬家の夜は更けていく。

あとがき!
ど〜も〜。たいやきオ―ルスタ―です。このシリ―ズもそのニ!
別に普通ですね・・・・・。
ん〜と前回と今回を反省するなら、っていうかメ―ルで言われたんですけどね。
展開が早すぎる!とのことです。
私もそう思います、はい、ごめんなさい。
と、いうわけで次回からはもっとゆったりと物語が進むように心がけたいと思います!
では、また次回にお会いしましょう!

感想等は こちらまで お願いします。


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