Kanon 俺の夏物語
           その五

舞浜〜舞浜〜。
「よっしゃ、みんな降りるぞー」
無事、舞浜駅に到着した俺達はぞろぞろ電車を降りる。
「ひい、ふう、みい、・・・あれ?」
気のせいか?一人足りない様な・・・・。
「そういえば、名雪さんが居ないですね」
栞がポツリと呟く。
電車の中を覗いて見ると案の定名雪が寝ていた。
「こらーー!」
ぎりぎりで名雪をひっぱり出す。
「はあ、はあ、なんとか間に合った」
「うにゅ、祐一おはよう」
「あ、あのなあ」
呆れて何も言えなかった。
「どうしたの?」
きょとんとしながら聞いてくる名雪。
俺は、はあとため息をつきながら答えた。
「実は宇宙生命体ポッピラくんが攻めて来て大変だったんだ」
「へえ〜強かった?」
「ああ、そりゃあもう」
手振り身振りを加えて熱く語る。
「口から火なんて当たり前、胸からはミサイル出るし時速250キロで走れる」
「ばか言ってないで行くわよ」
半眼の香里が冷静につっこみをいれてくる。
これからもっとすごいことになったのに・・・・・。

その後一旦駅を出て一同近くの小さな喫茶店に入った。
だが、これだけの人数だと俺達だけでほぼ満席だ。
とりあえず各自席に座る。
「祐一くん。ここたいやきあるかな?」
「あるわけないだろ」
「イチゴサンデー」
「勝手に注文しろ」
手を振っていいかげんに答えると何やらあゆと名雪がひそひそと話しをしていた。
「名雪さん、今日の祐一君なんだか冷たいよ」
「うん、どうしたんだろ」
俺は無視して注文をとる。
「コーヒー一つ」
「あ、私イチゴサンデー!」
「ボクたいやきサンデー」
だからねえっての。
「こいつは水でいいです」
「うぐう」
「冗談だ。コーヒーもうひとつ」
「はあ、かしこまりました」
困った顔のウェイトレスが厨房へと下がっていった。
「あゆ、コーヒーで良かっただろ?」
「熱くなければいいよ」
「冷めたコーヒーをだす店なんてあるわけないだろ」
「そういえばそうだね」
にこにこと答えるあゆ。
そんな会話をしていると秋子さんがこっちにやって来た。
「ちょっといいですか?祐一さん」
「どうしたんですか?」
「私に考えがあるんですけど」
「何です?」
「みなさん、慣れない電車旅でお疲れの様ですし今日はとりあえずホテルの方へ行こうかと」
「そうですね・・・」
たしかに今疲れたまま遊ぶよりも休んでから思いっきり遊んだほうがいいだろう
「じゃあ一旦ホテルに行きますか」
「はい、じゃあみなさんに伝えておきますね」
「ええ、お願いします」
そういうと元の席へと戻っていった。
「お、いつの間にかコーヒーがきてる」
しかも冷めてるし・・・・・・。
名雪とあゆはちゃっかり自分の分を食べていた
「くー」
しかも、名雪は寝ていた。

その後会計を済ましホテルへと向かう。
「なあ北川」
「んー?」
「俺達が泊まるホテルってどんなとこだ?」
「ああ、何でも一級品のホテルらしいぜ」
「・・・・何で町内のくじびきがそんなに豪華なんだ?」
「いや、このくじを作った町内会長さんが作り終えたときに」
『これはわしがこの町に残す最後の宝物じゃ』
「とか言ったらしいぜ」
「なんか危ないぞ!それ!」
「HAHAHA、大丈夫だって」
朗らかに笑う北川。
絶対何か裏がある気がする・・・・・。
「んで、そのホテルはどこにあるんだ?」
「さあ?」
「は?」
「俺は知らない」
なんでだー!
「なんで知らないんだよ!」
北川の襟をつかみがくがくと揺らす。
「お、落ち着け、地図ならある」
「なんだ早く言えよ」
ぴらっとその地図を広げる。
「えーと、ここをまっすぐ行ってこの道を左?右かな?なあ、北川・・・・」
あれ?いままで横を歩いていた北川が居ない。
ぐるりと首を回して後ろを向いてみる
と・・・。
香里と話していた
「くそー、裏切り者め」
ぶつぶつと呪いの言葉をこぼしながら
再び地図に目を落とす。
そして、あれこれ考えていると。
「あ、おもしろそー。真琴にも見せてー」
「地図ですか?」
真琴と栞がとてとてとよってきた。
「ていうか、おまえらって仲良かったのか?」
「さっきの喫茶店で席がいっしょになったのよ」
「そしたら馬があいまして・・・・」
ふうん、なんだか以外だな・・・。
「地図って見てるとなんだかわくわくしますよね」
目をきらきらと輝かせながら栞が俺の手元を覗き込んでくる。
「そうか?」
「はい!」
すっかり興奮しているようだ。
「んじゃあ、ちょっくら協力してくれ」
「迷ってたんですか?」
「まあ・・・な」
「やーい、祐一の迷子〜」
ごきん!
「おまえはうるさい」
ふざけた真琴に鉄拳制裁をしてやった。
「それでだ、栞」
「はい」
「ここの赤いのが目的地。んでここが現在地だ」
「え〜と、じゃあここを真っ直ぐですね」
いつもの様に顎に指を当てて考えてからそちらの方向を指差す。
「そうだな」
そちらへと足を向ける。

その後、栞の協力もあってなんとか目的のホテルにたどり着いた。
・・・時々あぅーとか聞こえたが。
「さあ、はいるか」
俺は両開きの扉を開き中へと入った。


あとがき。
え〜と、なんだか終わり方が中途半端だった様な気が・・・。
後、ネタもあまり笑える様なのがなかった様な・・・・。
う〜む。まあ、次回は大荒れ(笑)になると思いますんで。
ご期待下さい。では!




感想等は こちらまで お願いします。


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